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2013. 03. 07  
『母の遺産 新聞小説』水村美苗 
中央公論新社


母娘関係問題意識シリーズ第二弾として読んだ。

ボーヴォワールと同じように、この小説の母も転倒がきっかけで入院し、それから娘たちによる介護、看取り、遺品遺産の整理と物語が進展する。

(転倒には気をつけないといけませんね!)

我がままで、おしゃれで虚栄心の強い母親を50代の姉妹が介護する話。

“家風”の違う婚姻がもたらす不幸として、主人公である妹や、彼女の曾祖母・祖母・母・姉のそれぞれの恋愛や結婚(とその破綻)が、それぞれの時代背景とともに語られる。

介護や終末期医療に関しては、胃瘻の是非の問題もでてきて、アップ・トゥー・デイトな話題が諸々。

更年期の二人の娘の体調不良の描写が生々しい。よくわかります、とくに冷房病の話。
(きっと著者水村さんの実体験なのでしょう!)

ごく単純化していえば、50代半ばの主人公の女性の、母の生涯への嫌悪・看取り・赦し、自分の生涯の振り返り、夫の不倫と離婚の決意までの心の経過、再生への希望の物語である。
読後はさわやか。

話が重層的で厭きることなく、ぐんぐん引き込まれる。
50代から老後まで、経済的にどのような設計図のもとに独りで生きていくかという、実際の数字の部分など、ふむふむと、たいへんためになりました。
ゼイタクをしたいとは思わないけれど、老後を安心して生きるにはお金のことが、とても大切ですものね。

水村の著書を読むのは初めて。
朝日新聞での水村と辻邦生との往復書簡を楽しみに読んでいたときには「賢い人だな」と感心していた。
この小説も「介護小説」として好意的に書評されていたと記憶しているが、それに違わない読み応えのある作品であった。
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