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2013. 02. 27  
『海辺のカフカ』村上春樹 
新潮社

【動機】
近々、村上春樹の長編が発表されるとのこと。
ファンを自称しておきながら、『海辺の~』は読んでいなかった。
新幹線長距離移動で読み切るのにちょうどよい分量と思い、バッグに上下2冊の文庫本を放り込んだ。

【いもづるout】ギリシャ悲劇 『イリアス』とか『オデッセイア』とか?

【感想】
もう10年も前に書かれた小説ですね。
いままで読まずに10年間、私はどうしてたんだろう?
物語にぐいぐい引き込まれた。
残りのページが少なくなるのが惜しくなるタイプの小説。
物語としておもしろいだけで十分だが、蛇足的解釈をするならば、「不完全である自己の“影”を求める」とか「「プラトンのエロス論の敷衍」などということになるのかしら?

村上作品のいつものように、物語の進展の過程で“おきざりのまま解決されていないこと”がいくつも出てくる。
「あれは、どういう意味だったのか?」「○○のその後はどうなるの?」など。
しかし、それは読者の中でそれぞれに育っていく「お話」なのだろう。
…と納得したが、それは『1Q84』などを先に読んでいたからかもしれない。

私は、村上作品(特に短編)を読むと、
「熱いシャワーを浴びて、髭を剃って(?)、シャツにアイロンをかけて、ジントニックかビールを飲んで、レタスサンドイッチを作りたくなる」
のが常なのですが、
この小説では、「ああ、お酒飲みたい!」と思った箇所はなし。へ~んなの。

そのかわり、カフカくんやナカタさん、その他の人々が、身支度をしたり掃除をしたり食べるものの算段をしたりする場面には惹かれた。
日常生活をきちんと丁寧に生きている感じ…いつも村上作品で感じる…がこの小説にも描かれているのがよい。

他の小説に比べて、「(個人的には憎しみもない)敵を殺すか自分が殺されるか」という戦争の理不尽さが、小出しにではあるが、随所にでてくる。

それから、思春期の男の子の旺盛な性欲…、たいへんですね。
「ぼうやたち、心中お察し申し上げます…」と、おばさんは言う他ない(-_-)

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Comment
おはようございます。
村上さんの作品、実はあまり読んでいなくても内容もよく覚えていないのですが、食べ物関係の描写が好きでした。きちんと料理して、食べる喜びと誰かに食べさせる喜びを知っている人だと思いました。「誠実」とか「粋」とかいう言葉が似合う方だと思います。昔、通信教育で翻訳を勉強していた時、村上春樹さんが同期生でした。その時は既に高名な作家でいらしたのですが、目立たない場所で地道に勉強されている姿に深い感銘を受けました。

私が唯一読んだアガサ・クリスティ作品は「春にして君を離れ」です。読んだのは20代後半~30代始めだったと思います。ジャガイモを運ぶ姿とか、「勇気」とか…憶えていることは断片的なのですが、レスリーの生き方は当時の私に強いインパクトがありました。

事後承諾で大変申し訳ないのですが、ぶるっくさまのブログをお邪魔するようになってすぐに、自分のブログにリンクを貼らせて頂きました。もしご都合が悪ければすぐに外します。このまま貼らせて頂いていてもよろしいでしょうか?
私も…
リンクの件、もちろんOKです。
お礼申し上げます。

私もリンク貼らせてください。よろしくお願いします。

村上春樹と同期だったんですかぁ!すごい。

「読める」ということと「翻訳する」ということは、まったく別の作業ですから、
村上春樹もちゃんとそういう修業をしていたんですね。

レスリーの農園場面は、私は「アンナ・カレーニナ」の草刈り場面を思い出しました。

村上の料理や掃除、身支度の話もそうだけど、身体を動かして日々の糧を得る、
ということ話も小説が読者に生きる勇気をあたえることの一つだと思いました。

ミモザ様のプロフィール欄をみて、シュタイナー教育に関心をもっていらしたと知って、
「うわ、同類!」と思いました。

子安美知子の「ミュンヘンの中学生」でとりこになって、
私も一時期、ずっとシュタイナー教育のことを学んでいました。

どうぞ、今後ともよろしくお願いします。
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ぶるっく

Author:ぶるっく
 長女ぽんは飛び立ち、長男ばぶは羽ばたき練習中。空きの巣になっても、仕事・趣味・体力作りに励み、楽しく暮らしていきます!
 読書・音楽・ウォーキング・軽登山・水泳のことなど…日々の記録です。

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