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2013. 04. 19  
日曜日に高校時代の先輩である名門オーケストラ管楽器奏者の先輩と飲み会をしたときに、先輩からいろいろなお話を伺いました。
備忘のため記しておきます。

1年生のときに3年生だった先輩は、当時から音楽の才能がずば抜けていて(耳がよい!)、下級生にとっては演奏中のミスや音程の狂いをごまかせない怖い先輩でしたが、同時に、とても温厚で優しい方で憧れの先輩でした。

彼と“同病相憐れむ”談義で盛り上がったのが、私も2月に経験した突発性難聴についての話です。
突発性難聴は、器質的には問題がないのに聴神経がおかしくなる病気ですが、原因が特定できない場合が多い。

先輩は、ひどい症状のこの病気にこれまで3回も苦しまれたそうです。
しかも、ひどい時は症状が1年続いた。
3回も経験されたので、この病気についての「解釈」や「対処法」について深い洞察をされている。
命には別状ないし、激痛に襲われるとか手術・入院しなければならないという類の病気ではないけれど、プロ演奏家にとっては、「生きるか死ぬか」というほどつらいご経験だったようです。

先輩がおっしゃったこと。

「怒りの感情を持ってはいけません。怒ったらだめです。」
「お散歩するといいですよ。」


病気になったとき、あるはそれが長引いたときの自分を振り返ると、「怒り」の感情に支配されていたそうです。
詳細は書けませんが、当時あることがらで「公憤」ともいうべき強い怒りの念を持っていらした。
温厚な先輩が憤られることですから、個人的な憎悪感に駆られてという種類のことではありません。

そのような、「怒って当然」というような事柄にたいしても、先輩は「怒ってはいけません」と。

病気を通じて得られたこの“悟り”は音楽にも通じるそうです。

優れた音楽・美しい音楽には「怒り」はない。
たとえ「怒り」が最初のモチーフであってもそれは必ず「哀しみ」や「希望」へと昇華していく。


ある演奏会でグノー・バッハの「アヴェ・マリア」を演奏された時のこと。

その直前に若い親友が亡くなるという悲しいことがあったそうです。
レクイエムではないけれど、この曲は死者を悼む曲であると直感し、演奏しながら、「なぜ彼が? どうして死んだ? どうして死んだ? あの若さで!」という怒りの思いが高まっていったそうです。
しかし、比較的短い曲を演奏し終わるまでに、その怒りが深い悲しみに変容していき、演奏している自分の心の変化に驚いた…と。

「死者を悼む曲である」という解釈=楽典を越えたアナリーゼ

また、若いアマチュアで早いパッセージをぱらぱら吹いて、技術的には自分をずっと越えたすごい人が時々いる。
そういう人にはかなわない…と思うこともあるが、曲の演奏となると、全く別次元でそういう人が必ずしもいい演奏をするとは限らない、それは何だろう?といつも考えているけれど、よくわからない…。

謙虚な先輩にはおわかりにならないでしょうが、私には何となくわかる気がする…。
「楽典を越えたアナリーゼと表現」ができるかできないかじゃないのかしら?
「うまさ・たくみさで勝負」という突き詰めれば“怒り”と同類の感情があるのではないかしら?

「楽典を越えたアナリーゼ」と私が言ったら、先輩が「ほう上手いこと言うね。メモしておこう!」と褒めてくださってうれしかった!

人柄を形容するなら、男性だけど「繊細・優美」という感じの先輩は、スポーツとか身体の鍛練とかいうことから遠いところにいらっしゃる感じの方です。
「お散歩するといいですよ」という表現には、ナルホドと思いました。
がさつな私なら、「えっほえっほと歩くとが、よかとですたい」「ウォーキング、気持ちよかよー」と言うシチュエーションで、やんごとない先輩は「お散歩するといいですよ」と。
先輩、すてき!

怒りを持たず、日常的に運動すること…、先輩から教わった大切な徳目です。

38年ぶりの再会で、先輩からは「相変わらず、口が悪いね」と突っ込まれましたが、とっても楽しい会でした。
あとで「次の帰郷のときも、是非会いましょう」とメイルをちょうだいして目がになっている私です!

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Comment
No title
こんにちは。
38年ぶりの再開でそんなに打ちとけた会話が出来るご友人がいるなんて、凄いというか羨ましいです。
怒りは曲者ですよねえ。。私はあまり怒らない性格なのですが、以前心療内科で「怒りをためちゃ駄目ですよ」と言われてしまったので、たぶん溜めてるんでしょうね。怒らず、溜めずが出来たら最高なのでしょうが、難しいですよね。それと村上春樹の新作!読みたい!
koburiiさま
お久しぶりです!

最近のkoburiiさんのブログ拝読しています!
ご体調がすぐれなかったとのこと、たいへんでしたね。
ゆっくり、ゆったり、おやすみになるのがいいと思います。

こちらでコメント書かせてください。

「何者」、図書館の予約順番待ちでは5月くらいになるかなぁ…と思っていたら意外に早く読めました。
koburiiさんが読直後にコメントいただいていた通り、またブログで書いていらっしゃった通りおもしろかった!
最後の「どんでん返し」でSNSの怖さも知りました。

非英語から英語への翻訳、または英語が母語でない著者の英語の本って、読みやすいですよね。
オースティンやディケンズを読んだ後にそういうのを読むと、まるで日本語を読んでいるみたいにわかりやすい!
koburiiさんのレビュー本、とってもそそられるのですが、なんとも時間がない!

村上春樹の新作は、このところの流れからいくと異色な感じを受けました。
同じようなことをテーマにした他の著者による作品はたくさんあるけれど「格が違う」とうなりました。
いやはや、偉大な作家です。

怒りは確かにpsychosomaticな問題を引き起こす一番大きな要因だと思います。

我がグルである(…と勝手に決めている)、テーラワーダ仏教のアルボムッレ・スマナサーラ長老も、
「怒らないこと」について繰り返し説いていますもの。

でも、ほんとに難しい…。
「怒りを抑える」「怒りを増幅させない」は凡人でも努力すればできますが、
始原から「怒らない」というのは、至難の業です。

先輩の口ぶりから、彼は病気の経験から、ハイレベルでの「怒らない」をめざしていらっしゃるようで、
私も、「怒らない」修業をせねば…と思いました。

38年ぶりでも先輩とは、一瞬にして高校時代の「ぼけとつっこみ」漫才モードに戻りましたよ!
先輩のお人柄と私のずうずうしさの賜物だと思います!

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ぶるっく

Author:ぶるっく
 長女ぽんは飛び立ち、長男ばぶは羽ばたき練習中。空きの巣になっても、仕事・趣味・体力作りに励み、楽しく暮らしていきます!
 読書・音楽・ウォーキング・軽登山・水泳のことなど…日々の記録です。

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